20171230

空想画廊番外編『朝焼けに約束の輪が落ちてくる』

先日、半田さんの空想画廊を読んで、自分もこの絵で書きたかった!と波路から挑戦状が。空想画廊今年はこれが最後かな。





「凄く。なんかこう。何もないね。」
呟いて
音は途絶え
そうか。
轟々と吹き荒ぶ風に 言葉も音もかき消され
右も左も限りなく
前のめりのまま倒れこむ 錯覚の先に ただ 海ばかり。
廃墟の様なガランドウ 在り方だって覚えてない。
天性 気性 獣性 無修整 無情多情 で薄情白状 至極上々
可視 無視 若し 申し? もうし もうす 妄想 情操 とりとめもなく
浮世の玉であったのか。
はたまた 杓子の其れ等であったのか。
だだっ広いだけの砂浜に 寄り添う様に浪が立ち
暗がり抜け出た眩しさ恐れて 幼心が怖じ気づく。
安堵を求めて頬を寄せれば 同じ体温同じ色
風に煽られ髪は交わり 流れ伝わる真情も
行くか戻るか 戯れ溢れて止まれないのに そうはイケズの綱渡り。
捲るページの束の数だけ 寄る辺ないよな背徳抱えて
やがて或る時同じ場面が 無情な鉛の切っ先となり
唐突無残にゴメンアソバセ 同型無垢を引き裂く運びで
繰り返し
繰り返し
時と光を映す瞳は 異色無造に熟れている。
様にならない熱を宿して
万遍なく。
口を閉ざし。
パラパラパラのパラドクス。
世は崩れかけの均衡の中 押し並べて取り込まれ
久しく紳士協定の圧制により 気概ない骨抜きにされていて
綺麗すぎる折り合いなんかじゃ
人としての在り場所すらも 見つからなくってよ。
タブーの先のピュアを抉り出せ
約束の輪が落ちていく また一つ
手の届く先にほら もう一つ
蒼ざめた約束が落ちてくる。
昨夜の熱を解く様な
海を染め抜く朝焼けの朱にも似て。
貴方はまた
ことも無さげに 一閃の共感を許すのね。
繰り返し
繰り返し
スッと澄き通った朝の浜辺 呼吸の一握
今からまた空のソラになる予感を匂わせ 音のフリした絵の様に
繋がるくだりを凛と留めおき
風吠える暁の海 こんな静かな相剋を
他の誰にも悟られぬ様 静寂の胸に灼きつけている




文/ 波路
絵/ 細木 るみ子『朝焼けに約束の輪が落ちてくる』2017