20180430






久しぶりに喉が痛くなり
リンパ腺もパンパン
そっと触れるだけで
飛び上がるほど痛い
熱が上がってきて
これはもうほんとうに休むべき
とはいえ、時間貧乏性なものだから
寝ながらでもできることをやっている
これからの予定を見て
さまざまな走り書きを読み直し
半分寝ながら
ぼーっと考える
制作のあれこれを

よくよく考えてみると
一日のうちで
制作について考えていないことは
ほとんどない
とにかくひたすらに考えを重ねなければ
違うな
ひたすらに考えを重ねてしまうのだ
そして画面に向かう
とにかくひたすら描き続けなければ
かたちにはならない

あるとき
描き続けていたあるとき
とあるかたちを目撃する
描くことを重ねるうち現れる
その結実のかたち
結実したかたち
それをつかむことが
その結実の美しいなにかを手にすることが
その瞬間をそのタイミングを
その感覚をその手ごたえを


だから重ね「なければ」じゃない
重ね「たい」んだ
重ねてかたちにしたいんだ
無限に永遠に
永遠に重ね続けて
無限にかたちをつくるんだ

そして
またさがす

なにもないはずの
もともとあったはずの
美しい「なにか」を

さがしつづける


でも
この先死ぬまで描いて
どこまで描きつくすことができるの?
どれほどのものをかたちにすることができるの?
はなはだ怪しいとセザンヌがささやく
絵描きが夢想する
とある到達無限の桃源郷まで
果たして行くことなんかできるのか
そこでなにか今以上のなにかを
つかみかたちにすることができるのか
幻想にすぎないでしょとメルロ・ポンティも加勢する

そもそも切れ者でもなし
同じ疑問を
何年も考え続けて描き続け
なにやってんだよ
すぐに出ない解答を前にして
延々と
紙を変え何枚も
けれど問いはそこに
不敵な笑みで居座る
なんてイヤなやつなんだ
でも気がつくと
問いと睨み合い
そしたら
問いは
世界中に散らばって無数の渦を巻き
問いは
宇宙で永遠に分解して増殖し
問いは
お茶の間で
いつもの顔でのさばって
問いは
紙の上で
そ知らぬ顔でそっぽむく

描いても描いても
考えても考えても
問いにバカにされ
あっという間に時間は
過ぎていく

居座り続ける問いはいまここにいる
けれど考えることを止め
描くことをしなければ
彼はどこかへいなくなる

あんなに憎たらしいやつなのに
つかみどころのない
だからつかんでやりたくなる

描いて考え続けていれば消えない
そして
描いて考え続けていないと
彼は現れない
描いて描いて考えて考えて
解の出ない問いと向き合い続ける
ここで
この紙の上で

憎たらしい問いと
格闘した爪痕
描いた痕跡
その隙間に
目撃する美しい「なにか」が
強く誘う
わたしを強く誘い続ける

解をつかもうと格闘し描き続ける
立ち向かい続けるために
この格闘の場所を
ここにつくり続け
ここで続けるんだ
少なくともいまここに
ほんとに
確かなんだ
ほんとに
いまここで